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ヨブのことば

12 ヨブの返答。
「あなたが博学で、何でも知っているらしいことは、
よくわかった。
だが、そんな知恵など
あなたといっしょに滅んでしまうがいい。
あなたも、私と似たようなものだ。
それくらいのことを知らない者はない。
私は神に助けを願い、
じきじきに答えていただいたこともあるのに、
今は人の笑い草になっている。
品行方正な私が、物笑いの種となっているのだ。
その一方では、金持ちどもが、
弱っている者をあざけり、
困っている者を目ざとく見つけてはさげすむ。
盗人は栄えるものだ。
さあ、神を怒らせてみたらどうだ。
別に何が起こるというわけでもあるまい。
それでも神は、必要なものは全部下さるだろう。
7-9 主がそういうことをする方だということぐらい、
だれでも知っている。
犬や獣でも、それぐらいのことは知っている。
鳥に聞いてみるがいい。そうだと答えてくれる。
地と、海の魚に教えてもらうがいい。
同じ答えが返ってくるだろう。
10 すべての生き物のいのちと、すべての人間の息とは、
共に神の御手のうちにあるからだ。
11 舌が、食べ物がうまいかまずいかを区別するように、
思考力は、耳に入ることばがほんとうかうそかを聞き分ける。
12 あなたが言うとおり、
私のような老人には知恵と分別がある。
13 だが、本物の知恵と力は神だけのものだ。
ただ神だけが、私たちのなすべきことをご存じだ。
何といっても、神には思慮がある。
14 おまけに、神の力ときたらどうだ。
神が壊したものは、二度と建て直せない。
神に追い詰められたら観念するしかない。
15 神が雨を引き止めると地は砂漠となり、
嵐を送ると、水浸しになる。
16 このように、力と知恵は神のものだ。
欺く者も欺かれる者も、
共に神の奴隷であることに変わりはない。
17 神は助言者と裁判官をさげすむ。
18 王を奴隷の身分に落とし、
その召使たちを自由の身にする。
19 祭司は奴隷のように売られていく。
神は権力者を落ちぶれさせる。
20 雄弁家からは声を、長老からは見識を奪い取る。
21 君主をさげすみ、勇士の力をくじく。
22 闇を光の洪水とし、死の暗い陰さえ明るくする。
23 国を興したかと思うと滅ぼし、
大国にしたかと思うと没落させる。
24-25 王の分別を取り去り、道案内の明かりもないまま
手探りで闇の中をさまよわせる。