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ヨブのことば

ついにヨブは口を開き、自分の生まれた日をのろいました。
2-3 「ああ、なぜ私は生まれたのか。
こんなことなら、いっそ生まれないほうがよかった。
私が生まれた日など忘れ去られてしまえ。
神にさえ忘れられ、
永遠の暗闇に包まれてしまえばよいのだ。
5-6 そうだ、暗闇がその日を奪い、
黒雲が覆い隠すがよい。
その日が暦から消し去られ、
その日には何もなかったことになればよい。
その日の夜は荒れすさんだ、喜びのない夜となれ。
のろいの名人よ、その日をのろってくれ。
その夜は星も出るな。
その夜がどんなに光を待ちわびても
夜は明けることなく、
朝がくることがないように。
10 それはこの日が、
母が私を身ごもらせないようにできなかったから、
こんな災難に会うため、わざわざ生まれさせたからだ。
11 ああ、なぜ、私は生まれてすぐに死ななかったのか。
12 なぜ、産婆は私を生かしておき、
乳房をふくませて養い育てたのか。
13 生まれてすぐ死んでいたら、
今ごろ安らかに眠っていただろうに。
14-15 栄華を極めた大臣や王たち、
また城の中に財宝を積み上げた領主たちと
いっしょになっていただろうに。
16 呼吸もせず、陽の光を見ることもない
死産の子だったらよかったのだ。
17 死んでしまえば、悪い者ももう人に迷惑をかけず、
疲れきった者も休むことができる。
18 囚人も、残忍な看守から解放されて安らぎを得るのだ。
19 死んでしまえば、金持ちも貧しい人もない。
奴隷でさえ、自由の身となる。
20-21 なぜ、悲惨な境遇にある者に、
光といのちが与えられているのか。
彼らは死にたくても死ねない。
人が食べ物や金品のことで目の色を変えるように、
ひたすら死を求めているのに。
22 思いどおり死ねたら、彼らはどんなに安らかだろう。
23 神の与えるものが無益と失意の人生だけだとしたら、
なぜ、神は人を生まれさせるのだろう。
24 私から出るのはため息ばかりで、
食事ものどを通らない。
うめき声は水のように止めどなくあふれている。
25 恐れていたことがついに起こったのだ。
26 ぬくぬくと遊び暮らしていたわけでもないのに、
災いが容赦なく降りかかったのだ。」